レコーディングブログ
Recording Blog

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2016年08月1日

クラシックコンサート ライブレコーディング

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先日、金沢大学フィルハーモニー管弦楽団 第41回サマーコンサートのライブ録音に伺いました。

バンドレコーディングの経験はあっても、クラシックコンサートの録音経験が有る方

というのはなかなかいらっしゃらないんじゃないでしょうか?

基本的にオーケストラというのはアコースティックバランスで既に完成している(していなければならない)物なので、

天井から吊るした、いわゆる三点吊りマイクで収録したものが録音の軸になります。

それプラス、客席天井から立ち下ろしたアンビエンスマイクでホールの残響を収録、

さらに個々の楽器近くに設置したブーストマイクで音量の弱い部分を補強します。

立てるマイクはよほどの理由が無い限り、ほとんどコンデンサマイクです。

しかも前述の通り、原音を忠実に再現しなければならない為、やはり価格的に高価なマイクを使用する事になります。

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気を付けなくてはいけないのは、天井から吊るした三点吊りマイクと楽器近くにマイキングしたブーストマイクでは、

音源(楽器)からの距離がだいぶ違うという点です。
違和感が出ない様、ブーストマイクはステレオマイクと定位を合わせ、ホールリバーブを掛けて空間を慣らしつつ、楽器の芯を立たせます。

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最近はメーター類もすべてプラグインを使用していますので、省スペース化、セットアップの簡略化に一役買っています。

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シンプルに長机1本に収まっていますが、見えないところでは色々なデジタル機器達が動いているんですね。

ちなみに今回の収録では、吊りマイクにバランスの良い音がちゃんと入ってきましたので、ブーストマイクを使用したのはほんの少しでした。

金沢大学フィルハーモニー管弦楽団の皆さん、本当にありがとうございました。